なんとなく千早の日

年が明けてからこちら、Novelsm@sterに限らずニコマスは新作ラッシュで、とても追いきれません。この勢いで進んで行ったら、2010年上半期20選を選ぶ時は一体どうなるのやら……今からドキドキです。
さて、今回は今年に入ってから投稿されたノベマスから、千早が主人公の作品をいくつか紹介したいと思います。
1.十五歳でアイドルでバカだった。

作者のユーザ名はTENDOHさん。P名は未定の様です。前作の「アイドルマスターで押井守ごっこ」ではパロディ的な言葉遊びが猛烈にツボだったのですが、今作は一転してガチノベマス。
千早が過去の自分を振り返り、プロデューサーについて、歌について、自分についてを語る一人称のストーリー。ゲーム序盤の千早が持つ早熟な部分、未熟な部分が魅力的に描かれています。あと、作中のプロデューサー像に驚き。まさか千早に対して、ああいうやり方で向き合うPが現れるとは……思わず唸りました。そして、そのプロデューサーもまた、弱さを持つ人物として描かれているのが魅力的。
作者曰く「投げられそうな球は一通り投げてみる」との事ですので、今後が非常に楽しみです。
2.【新春ノベマスまつり】如月千早夜空ノムコウ

作者は平蜘蛛P。新春ノベマスで初めて作品を拝見させていただきました。こういう企画は、普段の巡回では手が届かないところにある作品やPの皆さんに出逢えるので、非常にうれしいです。
千早に活動停止を伝えるプロデューサー。プロデューサーの事を想い、信じてきたからこそ納得できない千早と、千早の事を想い、信じるからこそ離れるしかなかったプロデューサーとを、スガシカオの「夜空ノムコウ」とともに描くショートノベル。
ほろ苦くて、最後に温かい気持ちになれる作品です。そして社長GJ。
過去作のサムネがなかなかカオスってるのですが……後ほど観てみたいと思います。
3.ぼっちな千早は遥か彼方へ

作者は俺得誰得皆得P。
描かれるのは千早と春香の出会い。春香と千早の歌に対するスタンスの違いというのは、好んで描かれるテーマですね。
内容も王道中の王道ですが、千早視点の春香さんが眩しいほど可愛いのです。そりゃ押し負けるよな、ってほど。
この方は過去にも千早を主人公にした作品を書いておられますが、千早の不器用さ、弱さからくる鋭さみたいなものの描き方がとても好みです。
千早はアイドル紹介のキャッチコピーが「早熟な歌姫」だったと思いますが、こうして見るとPの皆さんはむしろその未熟さ、あるいは早熟故の歪みみたいな部分に惹かれているのかな、などと感じました。成長し、完成された歌姫としての千早も、それはそれで魅力的なのでしょうけれど。