Nicom@stream!!2014についてのあれこれ


キービジュアル: キーボーP  ロゴデザイン: クローゼットP
年末の大型生放送企画「Nicom@stream!!2014」が終了して、はや幾日かが経ちました。
アイドルマスターという概念が拡大と拡散を続け、相対的にニコマスに向けられるエネルギーが減衰傾向にあった2014年の末に、こうした高い熱量を持つ企画が発案され、現実に開催されたこと、そしてそれが多くの視聴者の心をとらえ、盛況のうちに無事閉幕したことは、ニコマスファンの一人としてとても喜ばしく思います。
また、Nicom@stream自体が終了したのちも、企画に触発された方々がマイリストを公開したり、あるいは生放送を行ったりと、ニコマスならではの連鎖反応が久しぶりに発生しているようで、これも嬉しい限り。
マイリスト検索:Nicom@streamニコマストリーム
「2014」とわざわざ銘打っているからには、運営サイドとしては2015年以降も開催する意欲をお持ちとお見受けします。今回は参加を見送られた方、応募はしたけれど残念ながら落選された方、放送を見て参加したくなった方など、多くのニコマスファンの中に宿った熱を、また拾い上げてくれることを期待しています。
その時のための一助になれば、というワケではありませんが、いち視聴者として参加した今回の「Nicom@stream!!2014」について、私が感じたことをざっくりと書いてみたいと思います。
このまま思い出として忘れていくには惜しい企画ですしね。
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はじめに、残念というか気になった点について。
企画全体の開催期間も、一日ごとの放送時間も、とにかく長かったというのが、まずひとつ。
勢いを留めない、途切れさせないという意図があったのでしょうけれども、やはり「10日間連続」で「21時から25時まで」というのは厳しいものがありました。
私は生活の都合上、毎日5時には起床しないといかんので「視聴するのは24時まで、どんな状況でもあとは中断して寝る」と心に決めて参加しました。
結果、運営サイドが見せたかっただろう「ゲスト枠」の放送を、ほぼ中途で投げ出すという形になり、非常に残念に思っています。
これは私個人の都合ですので、他の参加者の皆様には必ずしも符合しないのかもしれませんが、運営側の意図と都合がズレたまま最後まで企画が進んでしまったのは、とてももったいなかったなぁと。
そもそも、運営の皆様、特に放送を管理されたまろーねさんの負担が、今回の形式では余りにも大きいのではないかと心配になりました。
テロップのミスなど、放送時には笑いの種にされていましたが、私には笑えませんでしたね。いくら歴戦の生放送主といっても、キツイよ、どう考えても。
裏番組として、ライブビューイングまで放送しておられたとか……余計なお世話だとしても、ちょっとやりすぎでないかと思わずにいられません。
一日の放送時間を短縮するなり、隔日にするなり、運営と視聴者双方の負担を軽減できないものか。
セットリスターを選抜するのであれば、もう少し人数を絞ることで企画全体をシェイプアップするという判断はなかったのか。今後、この形で企画が継続していくのであれば、盛り上がりと快適さとの折り合いがつく形が見つけられればよいのですが。
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もうひとつ。セットリストの「ゲスト枠」について、一般参加者と持ち時間に差があったのは、個人的にはいかがなものかと思いました。
無論、ゲストとして登場した皆様の作り上げたリストは、どれも極上のクオリティでしたし、1時間、あるいは2時間という枠だからこそ可能だった構成、説得力、そして個性が発揮されていました(リアルタイムでは見られませんでしたが)。
ただ、だからといって広く募集をかけ、選抜までした参加者とゲストの間に、最大で4倍もの持ち時間の差を設けた事については、最終日まで心のどこかに引っ掛かりを残したままだったのが正直なところです。
特に―敢えて名指しさせていただきますが―内科部長(循環器)さん。運営に名を連ねている立場で2時間の枠を持つというのは、少し配慮が足りなかったのではないでしょうか。
そのセットリストが全体を通しても特異な構成であり、結果として企画に広がりを深みを持たせた大切な存在であったとしても、私には納得できませんでした。
総指揮の立場なればこそ、30分という枠で可能なことを見せてほしかった。そして、参加者を3人増やすなり、放送時間を短縮するなりしてほしかった。
それでは物足りないというのであれば、一般参加枠を30分とした理由を知りたい。これが私の率直な意見です。
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次に、全体を通してよかったと感じたこと。それは「動画を見る空気」が維持されていたことです。
ニコマスの生放送企画では、しばしば「視聴者が集まったその場を楽しむ」「動画を触媒として盛り上がることを重視する」という現象が起こります。
「コメントでアイドルにちょっかいを出す→狙撃or阻止」というテンプレは、その典型的なものですね。盛り上がるコメント群に対して「いいから動画を見ろ」と言ったのは、VRLでの2960Pだったでしょうか。
私自身、そうした盛り上がり自体は嫌いではありません。ですが、動画を無視してまでの過剰なまでの悪ふざけはちょっとつらい。先のテンプレで言えば、どれだけ早くレスポンスできるか、そこに集中しているような空気さえ生じることがあることを、私は知っています。
そうした悪ふざけ的な雰囲気が、今回はほとんど見られなかった。皆が目の前の動画と、30分という小世界に向き合い、そこから何かを感じ取ろうとする真摯な姿勢の広がりを感じました。
それは、リストを組み上げたセットリスターの皆様の力と、リスターを選定し、各開催日に配列した運営者の手腕によるところが大であったでしょう。とても心地良い時間を過ごせました。
ライブビューイング会場を毎回紹介し、興味がある人をそちらへ誘導したことで、本放送にLV側の空気を持ち込ませなかったのも巧かったですね。
内輪での盛り上がりの楽しさと、30分の流れを堪能する楽しさは別のもの。視聴者それぞれに合った楽しみ方を用意してくれたのは、実に効果的な配慮だったと思います。
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それに関連して、もうひとつよかったと思えたのは、広告枠がいい意味で目立たなかった、という点。
放送枠への広告のぶっこみは、今やニコマス生放送企画の名物となっています。その金額、その畳みかけ具合、そしてそこに寄せられるコメントに、視聴者がヒートアップしていく。
そんな様を、私は何度となく見てきました。
今回も、連日多くの方が広告をうちました。しかし、それによってコメントが爆発的に盛り上がるような場面は、あまり見られなかったように感じました。
これは想像ですが、この企画の主役は動画でありセットリストである事、場の盛り上がりよりも目の前の動画を重視することを、広告主の皆様も感じ取っていたからではないでしょうか。
特に―敢えて名指しさせていただきますが―内科部長(循環器)さんのそれは、他の企画では非常に目立つ形で為されていた印象がありますが、今回は(金額の大小ではなく)意図的に自重した形を選んでいたのではないかと。
総指揮という立場からのそうした判断が、企画全体の空気を生み出したのだとすれば、見事な手腕だったと思います。本当に、いい空気を作ってくださいました。
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全体の感想としてはこんな感じ。
ここからは、私が視聴した範囲で心に残った動画やセットリストを、箇条書きに書き留めておくことにします。
・卓球P枠
「CRAZY」をあるべき場所へ送り出してくれた、見送りの場を作ってくれたことに感謝。
あの時、唐突に自分たちの手が届かない場所へ飛んで行ってしまった輝き。今はその光が、衛星軌道上を周っているのを感じます。見ることはできなくても、そこにある。
ありがとう。
・リンスキー師範P枠
視聴後に、えこPの「嵐が丘」を猛烈に見たくなりました。
アイドルマスター 如月千早 「嵐が丘」

これもまた、種のひとつだと私は思うから。
・内科部長(循環器)氏枠
ニコマスファンとしての自分の立ち位置、周りから要求されている自分というものを把握してらっしゃるな、と。
他の眩いリストを際立たせるコントラストとしての陰。それだけに、先に書いた心理的なつかえを感じながら視聴した事が残念でした。
・ノーカウントP枠
感光した魂という名のフィルム。4年という時を経てなお、その疼きは衰えず。
・ばるとねこ氏枠
この企画をきっかけにして、自分が好きなもの、「光るもの」を見出すことができたという、そのことが素晴らしい。
Nicomastreamが起こした波の、様々にあらわれた反響のひとつ。
・かささぎ氏枠
アンカーP2連発で大歓喜。握手しましょう。
ハバネロP枠の熱を受け止める形に配した、運営人の手腕も見事でした。
・水野。氏枠
ワンダーフォーゲル」を最大限に飛ばす為の詰将棋
そんな印象でした。お見事。
・damehumanoid氏枠
今回の企画において、重要なポジションを占めた動画。
(MADPV) 『 So What 〜さよならプロデューサーズ〜 』

作:ナファランP
人は、言うまでもないことには言及しないものです。この方が2時間の中の4分間をこの動画に与えた、その意味は小さくないのだと、そう考えています。
・音P枠
肯定力。
かりんとう氏枠
赤ペンPの前にこのリスト。
終わってみればなるほどですが、なかなか大変な役回りを任されたなと。しっかりと受け切っていたと思います。
・赤ペンP枠
リファレンス。
表出したモノの、その奥に存在する膨大な情報をたどるための導き手。
・どうてい氏
とても素直に、歪みなく「アイドル」を表現できた30分だったのではないかと。
特に、やよいを見つめる視線に共感を覚えました。
・na氏
セットリストの完成度では優勝ではないかな。
どれひとつ欠けることなく、このリストが次回以降へと繋がっていくことを願います。
・gouzouP枠
放送中、視聴者の間に「安心感」が広がっているのを強く感じました。
ワクワクやドキドキよりも、この人に任せておけばだいじょうぶという雰囲気。リストアップされた動画自体は他の枠でも流れたモノが多くありましたが、あの空気は唯一無二でした。
・ポジP枠
「光」というテーマで「からっぽ。」を入れてくるとは。

作:ぐっさんP
一本の動画でリスト全体のコントラストをくっきりと際立たせた、抜群のチョイスでした。
・mizuchiP枠
ここいらの曲はマストでいいと思うんだけどなぁ。
偶然なのか意図してのものか、美希が目立ってたなぁ、という印象が強く残りました。
・ごP枠
もし私が参加するとしたら、やはりキッズソングm@sterで組んでたでしょう。
優しさと可笑しさと、少しの痛みと。いいですよね。
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以上で、Nicom@stream!!2014についての私なりの感想記事を終えたいと思います。
放送終了後にいくつかの動画が削除され、図らずも「今という時」と「もう戻らないもの」を一層際立たせることになったこの企画。
もし次回があるとするなら、その時私たちは、何を得、何を亡くし、どんな「今」に立っているんでしょうね。
願わくば、その時まで皆が佳きアイマスライフを過ごせていることを。