多胞体

アイドルマスター バッドコミュ やよい編56

作:SynP

たとえば、このやよいの言動を、どう捉えるのかということ。
この子は、苦手なことから逃れる口実として、「亡くなったおじいちゃん」を用いる事もある、ということ。
家族をなによりも大切に思っている筈の彼女が、その一員である祖父に対して、この様な扱いを見せるという事。
プロデューサーに対して、御機嫌取りをする時もあるということ。
また、ゲーム内での「俺」つまり「やよいのプロデューサーというキャラクター」は、
ここに至るまで、やよいの書く字に対して、注意を払っていなかった、ということ。
履歴書見てないのか、お前は。

本人としては、がんばって清書したんだろうなというのはわかる。「高槻」という漢字の、「とめ」や「はね」を
必要以上に強調したような字体から、それは見て取れる。
あと、数字を書くのは割と慣れてるよね、これ。枠におさまってるし。
というかこれ、書くペンの選択の時点で失敗してるんだよね。ちゃんと細いペンもあるのに。
そこらへんも含めて、社長は候補生の見定めに利用しているという事なんだろうか。
あと、サインね。
先生に「象形文字」とまで言われる字に比べて、いかにも書き慣れた感のある、彼女のサイン。

むっちゃくちゃ練習したんだろうな。ノートの隅っことかチラシの裏で、いくつもパターンを考えて。
絵の得意な友達が居るそうだから、もしかしたら、その子と相談したのかもしれない。
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なんてことを、このバッドコミュニケーションを見て思うワケです、私は。
しかしそれは、あくまで私と、私のやよいの間で必要な考察だ、ということ。
もし、私がやよいについて考える事が、別の誰かにとって、やよいを考える一助になるのなら、それは嬉しいことだけれど、
これは私が、私の立ち位置から見た、私から見える範囲での高槻やよいでしかない。
私は、私とは違う、私では見る事のできないやよいが現れる事を期待しているし、ニコマスという場で、またその周囲で、
実際にそうしたものと出逢う事ができています。
そして、アイマスに関わっていく限り、私自身の中にも、初めて見るやよいを見つけていく筈です。
たとえば今回、やよいが祖父について語るコミュを偶然発見した事をきっかけに、考えを進めたように。
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アニメ版アイドルマスター第10話の再放送をきっかけに、twitter上で何人かの方に、過去に書き置いた
私のやよい観を紹介していただけた様です。
その事を光栄に思いつつ、しかし、それを理由に自らの考えを「正解」だと考える事のない様にしていきたい。
自分とは異なる考えを、否定しないように。拒絶しないように。
難しいけれど、そうありたいと、改めて思ったのです。