「すごろくさん」に「天海春香」について訊いてみた!・回答編1

ニコマスブログ「すごろく迷走格納庫 (調整中)」管理人のVinegar56%さんに、アイマスのキャラクター
天海春香」についてきいてみよう!
という企画の、第2回。
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これってどんな企画なの、どんなお話をするの? という方は、先に初回の記事
「すごろくさん」に「天海春香」について訊いてみた!・自己紹介&質問編
からご覧ください。
テンプレがあると書き出しを考えなくて良いからすげーラクチン!やったね!
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今回は、私からVinegar56%さんへ投げかけた第一問
春香は何故、大人を尊敬しているのか
について、お話を伺います。
時系列的には、私がやよいに関する第一問を答えた後になりますね。
お互いの間合いが見えてきた時間帯、さて、Vinegar56%さんが繰り出すパンチをご覧ください。
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sugoroku:ではK_1155さんから春香についての最初の質問ですが。
sugoroku:まず、春香は周囲の大人、特にプロフェッショナルと呼ばれる人達に対して、強い尊敬の念を持っている と感じる。そして、それは春香がプロデューサーに対して持っている信頼の出発点でもあるのではないか、ということで。

K_1155:そうですね。それは自身のアイドル観にも影響している筈です
sugoroku:春香がその尊敬を持ち続けている理由、根源はなんだろうか、という問いでした。
sugoroku:私もK_1155さんのこの読みには同感でありまして。

K_1155:いかに私が彼女を理想化しているかがよくわかる問いだw
sugoroku:以下、基本的に無印における春香を念頭において話をします。アケマスではなく、無印です

ここまでは質問編で話した事の再確認。
私のコメント「春香を理想化している」というのは、特に思うところなく零れ出たものだったのですが、いま思うと
今回テーマとした2人のアイドル、春香やよいを私がどう見比べているかが透けて見える言葉かも知れません。
Vinegar56%さんが「アケではなく無印を基準に」と前置きした時、私は強制終了などの話が関係してくるのかしら、と
思ったのですが、それは間違いでした。理由は後ほど明らかになります。
なお、春香無印コミュに関しては、以下すべてぷげらっちょPのコミュ動画シリーズ「はるかっか」を参考動画とします。

理由はまた、どこかで。

sugoroku:コミュの中での春香は、確かにプロフェッショナルな仕事をしている人たちに強い尊敬、憧れを持っていることが窺われます。
sugoroku:たとえば美術館にいって現代絵画を見て、わからないけれどもすごい、迫力がある、と言います。わからないにもかかわらず、それがすごいものだということは感じとっていて、疑わないんですね。

K_1155:゚0゚

sugoroku:あるいはジャズコンサートに行って、歌い手に大きな感銘を受けて、いつかああいう歌も歌えるようになりたい、という。
K_1155:あのコミュは、どのアイドルを考えるに置いても重要なポイントになりますね
sugoroku:ですね。
sugoroku: 「尊敬」と「憧れ」を私がセットで使っているのはそういうところで、この人は自分にはできないとてもすごいことをやっている、という「尊敬」と、でもいつか自分もそういうことをやってみたい、という「憧れ」がしばしばとても近いところにある。

K_1155:努力すれば届かないものではない、と
sugoroku:そこは難しいところですね。自分にはああいうものはないけれど、でもあんなこともできたら楽しいだろうなあ、という願望に近い場合も多いと思います。
K_1155:ああ、なるほど。完全に別の世界とは考えない、といったニュアンスかな。地続きというか

アイドルマスター はるかっか 27

アイドルマスター はるかっか 41

序盤から押され気味なのがよくわかるやりとり。
私としては、春香にはまず尊敬という精神があり、そこから憧れという感情へと移行していくものと考えていたのですが、
Vinegar56%さんはこのふたつが共存、同時に発現する事が春香の性質だと捉えています。
そういえば、SPにも響を最初期から尊敬し、かつ憧れの対象として追い続ける春香がいました。
そして登場した「自分にはできないとてもすごいこと」という言葉。
これが今回のキーワードになりそうです。

sugoroku:また、春香は、周りで仕事しているスタッフのことに、ちょくちょく言及します。周りのスタッフさんたちがすごくいい人たちで、私の仕事のために頑張ってくれている。だから私もがんばらなきゃ。これも、尊敬の延長線上にあることと言えるでしょう。
K_1155:うん。やよいもスタッフの為にというコミュはあるんですが、春香のそれとは微妙に接し方が違います
sugoroku:musePにこういう文章があります。http://springfragrance43.blog8.fc2.com/blog-entry-75.html
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「所でアイマスのエンディングシーンって、アレで終わりじゃないと思ってるのは私だけじゃないですよね?たとえばドームライブともなれば、スタッフの数もそれなりで、打ち上げパーティとかだってあるはずじゃないですか。たとえば春香の場合だと、二人きりの時間が終わったところでもう一度『アイドルモード』に戻って、スタッフさん達と一盛り上がりするんじゃないのかな。」
「春香を支えてる人って、ホントたくさん居ると思うんです。私自身、ホント小さなステージですが、2度ほど照明の仕事を手伝わせてもらったことがあって、1人の歌手をステージに立たせるのに、裏でこんなにたくさんの人が動いてるんだ・・・というのを実感したことがあるし(スゲェ大変でしたけど)。そして春香は優しい娘だから、そういう人たちへの感謝は絶対忘れないはず。開場近くの小洒落たレストランでも貸し切って、春香を支えてくれた人たちへのお礼のために、打ち上げは企画したい。」

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K_1155:いい文章だ。実に。
sugoroku:エンディング後の展開自体についてはいろいろ百家争鳴するところだろうけれども、こういうことがありそう、という感覚は私もよくわかります。

春香とやよいの、周囲の大人たちへの反応の差については、私の回答編も参照していただきたくとして。
ここでmusePのブログ記事が登場します。たしかに興味深く、また話題としている内容にもマッチした記事ではあるのですが、
基本的にゲーム本編でのコミュについて論を展開していた中で、エンディング後の、しかも自分以外が書いたテキストを引用する手法に、
私は少し戸惑っています。
事前に綿密な準備があったとはいえ、私とは何かが違う、と感じた部分でしたね。楽しくなってきました。

sugoroku:また、春香は、プロデューサーに対して、出会った当初の時点から、大きな期待を寄せています
K_1155:そう。それが私のすごく聞きたい部分なんです。
sugoroku:正確な表現は忘れてしまいましたが、レッスンなんかだと、よくプロデューサーさんだけが頼みなんですからね、みたいなことを言います。コミュでもそういう雰囲気の言葉が端々に出てきます。
sugoroku:これは、プロフェッショナルな仕事をしている大人への尊敬、憧れとリンクしたことだと考えていいと思います。大人というものは、自分にはできないすごいことをやってくれるものなんだ、という期待が最初からあるのだと思う

K_1155:逆に「俺が言うんだから間違いない」的な言葉を時折春香にかけるのも、春香P(ゲーム内での)の特徴な気がしています。
sugoroku:私はバッドコミュ、ノーマルコミュをしょっちゅう踏んでるので、ものすごく適当なことを言う人だというイメージがあるw>ゲームの春香P
K_1155:そして春香に諭されたり励まされたりねw
sugoroku:そうそうw

春香のレッスンといえば「ありがとうございまし、た↓」が有名すぎて、他の発言は気にしていませんでした。不覚。
ここでも「自分にはできないすごいこと」という言葉が出てきます。
単純に「すごい」ではなく「自分にはできない」が付随するのがポイント。
後半の話は、ある意味で春香プロデュースの醍醐味だと個人的に思っています。いい子なんだわ、ホント。

sugoroku:ここで、尊敬、信頼の話からは一旦離れて、春香にとっての、アイドルとしての仕事、というものを考えてみたいと思います。
K_1155:はい。
sugoroku:考えるのは、①春香はなぜアイドルとして仕事をしているのか
sugoroku:②春香にとって仕事に取り組むとはどういうことなのか、の2点です。
sugoroku:特に低ランクコミュで顕著なんですが、春香はどんな仕事をする時でも、「楽しい」ということを口にするんですね
sugoroku:たとえば、デパートの屋上でライブがある。スタジオライブと違って新鮮で気持ちいい、普段と違うお客さんが来てくれて楽しい
sugoroku:スタッフさんに食事に誘われた。どんなお店に連れて行ってくれるのか楽しみ
sugoroku:CDを街頭販売する。直接手渡しできるのが楽しい

K_1155:緊張はするんですよね。でも、同時にワクワクしている
sugoroku:おっしゃる通り、大きな仕事、慣れない仕事を前にしての緊張、自分にできるのかどうかという不安は常にある んですが、どんな内容の仕事であれ、その仕事自体を選り好みするということがないんですね。
sugoroku:どんな仕事であっても、春香にとって「楽しい」「楽しみ」と思えるポイントがある

K_1155:それらに共通するものがあるのかな
sugoroku:基本的に、人が触れ合うということが好きで、今までしたことない新しい体験をする、ということが好きなんだと思います。
sugoroku:だから、成果の少ない仕事でも、きつくて辛い仕事でも、緊張していてすごく怖い仕事でも、それとは別に、「でもこれをできることは嬉しい、楽しい」という気持ちがある。

K_1155:アイドルという仕事は、新体験に満ちているから
sugoroku:そうなんです。アイドルという職業は春香にとって、いろんな人と触れ合える、いろんな新しい体験ができる、まさにその楽しいことが次々起こる職業で、アイドルとして仕事をするということは根本的に楽しいこと、なんですね。
sugoroku:だからこそ春香の場合、低ランクよりは高ランクになった時が問題になるわけです。「新しさ」を仕事に対して感じなくなったらどうするのか、仕事によって人と触れ合う機会がかえって奪われたらどうするのか

K_1155:なんだっけ「いつも同じ質問ばかりされて、自分ってなんなんだろう」みたいな事を言うコミュがあったような
sugoroku:ありますね。記者の質問が自分にとって新鮮でない。それはつまらないことなんですね。
sugoroku:なんでそんなことを仕事としてやっているのだろう、と。

アイドルマスター はるかっか 09

例として屋上ライブを。
春香はなぜアイドルとして仕事をしているのか」。
春香といえば歌が好き。アイドルが好き。だからアイドルを志した。それはそうなのだけど、その「好き」という言葉には、どんな心理が内包されているのか。
Vinegar56%さんは、その内側を読み解くヒントが「人とのふれあい」と
未知なる体験との出逢い」を「楽しい」と感じるにある、と考えている様です。
そして、その事が高ランク時に表出する、春香ならではの心の揺れに繋がっていくのだと。
この辺りの対話は私としても非常に納得できる部分が多く、ここで得たものをヒントに書いた記事が、こちらです。
「みんな」の範囲

sugoroku:春香のAランクアップコミュで、選択肢によってはこういう会話が出てきます。
sugoroku:P「そうだな……長く仕事で続けてれば、大好きだったものも、変わるかもしれない」 春香「絶対に、嫌いではないんだけど……大好きが、小好きな感じになったかも
sugoroku:このAランクアップの会話、すごく深刻なことを言っているわけですよ。好きであること、楽しいことが仕事への原動力なのに、その好きが「大好き」から「小好き」になっている。

K_1155:うん。はじまりの場所から連続して見ると、寒気を感じますね。
sugoroku:でも、春香は論理的な言葉で話す人ではないから、その辺り、高ランクになった時どんな心の動きが起こっているのか、しかとは掴めません。
sugoroku:答えを知ってしまえば、「好きな『はず』なんかじゃない、春香は歌が好きで、大好きで、それはずっと変わらない」 という正解の言葉を投げかけること自体はできるけれど、そこで春香の中に何が起こっているか、ということを考えると、とても難しいコミュだと思います。
sugoroku:それはそれとして、仕事というものは、楽しいものだ、というのが原点的な考えとしてある、と。

K_1155:自分でも今が把握できずに揺れている感じですね。「夢なら覚めないで」なんて言うあたり
sugoroku:ええ。

アイドルマスター はるかっか 82

春香を象徴するコミュ「Aランクアップ」。
ここでは氏が「春香は論理的に話す人ではない」と言っているのが印象的でした。
「大好き」が「小好き」になった感じ、という、一見すると拙い表現に思える春香の発言ですが、この言葉が発露するに至るまでの、
春香の(恐らくは長期にわたる)内面での葛藤を、氏は強く意識しているのだと思います。
そして、その事に気付いてビビる私。ホントよく怖がるな、この人は。

sugoroku:②春香にとって仕事に取り組むとはどういうことなのか、に行きます。
K_1155:はい。
sugoroku:第一に、春香は、仕事を真剣にやる、ということをとても重要視します
sugoroku:たとえば、こうすればウケを取れるからこうしなさい、とか、アイドルだからこの程度でいいんだよ、みたいな指示にたいしては、必ずといっていいほど反発します。

K_1155:1月の仕事
sugoroku:1月の仕事ですね。すぐ後で話に出そうと思っていましたw。
sugoroku:1月以外でいうと、たとえば、かけっこで転んだ方が受けるからわざと転べば、と言われると、ビリになってでも転ばないように歩く、とか。
sugoroku:脱線すると、なので、アイドルとして売れるために仕方なしに閣下を演じる春香、みたいなのは、ニコマスの文脈での春香としてはアリだけど、無印の中の春香だったら成立しないだろうと思っています。

K_1155:その矜持というか、リアリズムとは違うプロ意識ですよね。
sugoroku:そうですね、理想主義的なプロ意識です。売れる事自体が春香の目的ではないし、Pが売れるからこうしなさい、と言っても、本人が納得しないとやってくれないよ、とw。
sugoroku:で、そういう要素がはっきりと表現されているコミュは「月の仕事」に集中していると思うので、ここが、私がアケマスではなく無印に重心をかける理由ですね。

K_1155:ああ、そうか。追加要素なんだ。これは公式側によるキャラ付けの強化という事になるのかな

アイドルマスター はるかっか 05

ここで私が「1月の仕事」をすぐに連想できた、というか、氏が必ず触れてくると確信していたのは、氏のブログに、こんな記述を見つけていたからで。
「好き」という言葉 (春香コミュ概論導入編)
春香の「お仕事」という概念を読み解き、今回言及した内容と重ね合わせるならば、
私が、春香のプロデューサーにとって、もっとも辛く重いコミュであると思っているところの「一月の仕事」コミュ

Vinegar56%さんをして「最も辛く重いコミュ」と言わしめる営業。私は初めてこの記事を読んだ時の強い衝撃を、今でもよく覚えています。
ここでのプロフェッショナルへのリスペクト、そして自身の仕事への真摯さ。
これこそが、私が今回「尊敬」を質問のテーマとした、大きな理由です。
そして、氏の指摘により初めて知ったのですが、○月の仕事って、アーケード版では存在しなかったんですね。これは新発見でした。
コンシューマ化されるにあたって新録されたコミュ。それはつまり、キャラ造形に対する、公式からのベクトル付けという事になります。
思えばやよいにも、○月の仕事では印象的なコミュが多いですね。勉強になりました。
あとは「ニコマスの文脈としての春香」と「無印の中の春香」を、明確に分離して認識しているという部分。
やよいに置き換えて考えた場合、私としても頷ける話です。

sugoroku:では次に、春香にとって、何をやれば真剣に仕事をしたことになるのか。
sugoroku:ここで1月の仕事を思い出していただきたいのですが。
sugoroku:たとえば、ステージで隠し芸をやってください、と頼まれる。それは春香がどう思うかというと、ステージに立って隠し芸をやるということは、つまりプロのようにそれ自体でお客を楽しませられる芸をやらなければならないんだ、ということになる。
sugoroku:アイドルとして隠し芸を頼まれているんだから、芸を通して自分の魅力や面白さを表現できればいいんだ、とは発想しないんですね。

K_1155:ああ、そういう事なのか。わかった。お菓子を売る時もそうなんだ。
sugoroku:そうですね、どこのコミュでも最初はそういう発想があると思います。
sugoroku:けれども、ではそのために春香が何をするかというと、自宅で、プロデューサーですら知らないうちに、自己流で個人的に練習してくる。

K_1155:徹夜で
sugoroku:律子伊織のように、こういうことができるようになるためには、こういう方法を取っていきましょう、という実現可能なプロセスを自分で組み立てることができないんですね。
sugoroku:歌とお菓子は、身の回りに指導してくれる人がいて、春香自身にもおそらくそれなりの適性があって、一応はものになっている。けれどもそれ以外の彼女がやってみた、やりたかったことの中には、どんなに頑張っても一人ではできなかったことがたくさんあったのだと思います。

「論理的な話ができない」という、前段にも繋がってくるお話し。
ニコマスでは、春香とスポ根的なイメージが結びついているシーンがまま見られますが、その根っこにあるものが、ここで語られているのだと思います。
この表には現れない思考錯誤、あるいは挫折の体験が、大人達≒プロへの尊敬に結びついている、という主張。
なるほど!と膝を打ちつつ、私達の目に触れる事の無い、語られる事の無い春香の過去をイメージできる氏に、猛烈に嫉妬した瞬間でもありました。
対談の醍醐味ですね。
それはそれとして、春香と対になる存在として律子と伊織が挙げられていたのが、私としては面白かったですね。

sugoroku:こう、長くなってきているところでまた脱線して申し訳ないんだけど。
K_1155:いえいえ。
sugoroku:今の、徹夜で、というところでちょっと惚気たくなって。
K_1155:お、っとw
sugoroku:ななななな〜PというPの『アイドルマスター 天海春香  が好きだ』という動画にですね。
sugoroku:いろんなコミュから似たモーションを持ってきてどんどん繋いでいく、ていう手法が使われている動画なんですが。

K_1155:うん。
sugoroku:その中に、失敗EDの、最後にアイドルと手を合わせて励まして別れる、というそのシーンが使われているんだけど。
sugoroku:その前にこのPが持ってきているシーンが、今話している1月の仕事、誰も知らないうちに徹夜で練習していたけれど一度も芸を成功させられなかった春香が、Pの前でトランプを取り出してやってみようとして取り落とす、その瞬間なんですね。

K_1155あ:あー、はいはい。
sugoroku:ああ、こことここを繋いでるんだ、と理解した時、どんなに春香さんを知っても、この人には一生敵わないな、と思いました。
K_1155:「なんちゅーもんを見せてくれるんや・・・」
sugoroku:まったく。

アイドルマスター 天海春香    が好きだ

箱外、気付かぬうちにスイッチを入れるの巻。
ななななな〜Pニコニコ大百科は、現在氏のブログで唯一、個人として個別のカテゴリーが設けられたニコマスPであり、
氏にとってどんな存在かは、他者が凡そ言葉にできないものです。
この対談の中で、いつかその名を聞くだろうとは思っていましたが、さすがにこのタイミングは読めなかった。
ここでの私の反応の薄さは、改めて見ても「聞き役失格だろコイツ」と思わずにはいられません。ただ、それにはそれなりの理由があって。
ままならないものです。

sugoroku:つまり、そうやってできないことがたくさんあるからこそ、それができるプロの人たちに、すごい尊敬を持っている。そして、自分もプロとして仕事の場に立った上は、そのすごい人たちと同じ特別でもの凄いことをやらなければならない筈だ、と思う。
sugoroku:決して、ありのままの自分を見せれば周りは楽しんでくれる、と思えているわけではないんですね。

K_1155:高ランクになればなるほど、不安が大きくなるというのも、先の「好きの変質」だけではないと
sugoroku:そうですね。大型ステージだったか祭典ステージだったか忘れましたが、大きな舞台を前にして気合いが抜けて、「素の自分」が出てしまったけれども、気合いを入れ直して「仕事モード」で頑張ります、という台詞があります。
sugoroku:つまり、何かを演じているとか、そういうわかりやすい区分があるわけではないけれども、春香にとって仕事をする、ということは、日常の友達や家族の前とは違う別種の何かをもって臨まなければならないこと、なのだと思います。

K_1155:ぞっとするなぁ。どこからが「仕事モード」なのか。例えば朝、家を出た時からそうなのだとしたら。
sugoroku:私は、プロデューサーの前での春香は、家や友達の前での春香とは違うと思っています。休日コミュでのケイコとの電話なんか見ると、口調からしてプロデューサーに対してとは違う。
sugoroku:ただ、それってそんなに異常なことでもないだろうと。

K_1155:あったなぁ>ケイコとの電話  でもまぁ、そうですね。
sugoroku:そういうわけで、そういう春香にとって、一番身近で、自分が仕事をするための道を指し示してくれる大人であるプロデューサーへの期待が大きいのは自然なことで。
K_1155:ナチュラルアワードがピンとこない春香、か。
sugoroku:そして実際に、(正しい選択肢を選べばw)、Pはその道を示してくれるし、自然な君でもいいんだ、という、自分では確信できないことを後押しもしてくれる
sugoroku:トークイベント系のコミュを見ると思うけれど、春香は頭の回転がすごく早かったり当意即妙の話術があるわけではないから、結局何かあるとすれば、素の春香からなんとなくでてくるものがなんとなく面白くて魅力的だよね、と、そういうものを出すしかないのだと思う。
sugoroku:それはプロデューサーがやること、と。
sugoroku:と、いうところで、尊敬とPへの信頼とその理由についての私の考えはこんなところ、なんだけどw。

ケイコとの電話は「休日1」「素の自分」はランクCの大型ステージですね。
アイドルマスター はるかっか 58

アイドルマスター はるかっか 55

まーた「ぞっとする」とか言ってるし。
氏の仰る通り、仕事上のパートナーを相手に、常に素の自分でいる方が異常ですよね。そりゃそうだ。
この辺り、私とVinegar56%さんが、それぞれ天海春香というキャラクターをどんな視点で見ているかの差が表れていて、楽しかったな。
というワケで、ここまでのまとめ。
・世の中には自分にできない事が沢山ある事を自覚し、だからこそ、それができる大人、特にプロフェッショナルと呼ばれる人種に対し、尊敬と憧れを強く抱く。
・そして、自分の仕事にもプロとしての質の高さを求めるが、自身ではその道筋を定める事ができない。
・故に、自分を理想の存在へと近づけてくれる大人である「プロデューサーさん」は尊敬と憧れの対象であり、信頼を寄せる

以上の3点が、春香がアイドル活動を営んでいく上で見せる「尊敬」の正体である、というのが、Vinegar56%さんの結論となりました。
一貫性があり、非常に説得力に富んだ展開の説明だったと思います。
私としては、これまで春香について漠然と感じていた感覚を具象化し、裏打ちをいただいた気分で、第1問については大成功!
……と、思っていた、のですが。

sugoroku:そもそも春香って、プロデューサーを信頼しているのか!? という問題が
K_1155:あ、そこを疑うのは、私の中にはありえないんで
sugoroku:じゃ、この話はやらずに次にいきましょうか。私としてはなかなかおろそかにできないところだけれど、それだけにいっそう時間もかかるだろうしw。
sugoroku:まあ、これをやると、コミュ云々だけじゃなくて、いろんな春香P、春香動画の選択、というところにも繋がってくるしね。それは私がいつかブログで書き上げなければならない宿題、ということで。

いきなり投げかけられた一言に、俺氏、混乱するの巻。
もうね、この瞬間の私が、どれほど焦っていたか。「w」なんてつけてますけれど、正直モニタの前から逃げ出したかったです、はい。
春香はプロデューサーさんを信じているのか?」を疑う事は、私の春香観の核を破壊される事に等しい行為です。
そして、Vinegar56%さんの言葉は、それを為すだけの力を十分に備えている事を、私はここまでの対話や普段のブログ活動で思い知っています。
あぶなかった……。いや、インタビュアーとして失格だと言われても、ここだけは。
もし関心をお持ちの方は、氏に直接ご確認いただければと思います。私には、無理だ。

sugoroku:今までの話で何か質問がありましたら。
K_1155:そうですね、ニコマス作品でこれまでの話を補強するようなものがあれば、と思ってたんですが
K_1155:春香がチャレンジして、できなかったもの、自分1人の力の限界みたいなものを自覚してる春香って、どこにいたかなぁ
sugoroku:うーん、直接的なものはパッと出て来ないんだけど。
sugoroku:あと、SPの春香だともっと大変で、そもそも春香だけが持っているアイドルの資質なんてものがあるのだろうか、という話になってくるけれど、それも別の機会だな。

K_1155:私の中では、どうしても「プロデューサーさん」と一緒に限界を超える春香さんが印象に残るので、その前段階に居る彼女は……2のスタートラインが、ある意味そうか
sugoroku:マスクエの勇者の春香さんとかね。
K_1155:ああー。
sugoroku:あと、ちょっと違うというか、信頼があるのかどうか、というその先の話になるけれど。
sugoroku:ほうとうの具Pの『具Pたちのごったニ!02「冬の海と春香さん」』http://www.nicovideo.jp/watch/sm6295651

K_1155:うん。
sugoroku:これは二人ではトップまでいけなかった最初のPと春香の数年後の話で、春香は別のPのところでアイドルをやっている。
sugoroku:でも、それはそれとして、最初のPと春香の間には、春香をトップに導けるPとはまた別の思い出、別の関係があって、それは今でも存在する。
sugoroku:私は、必ずしもすべてのPが春香をトップに連れて行かなくてもいいんだというか、低ランクで終わったPと春香の間にもこういうものがきっとあるんじゃないかな、と思っています。

K_1155:そうね。それは、ほんとにそう>低ランクでも

ておくれP アイマスクエストⅣ 115話 第八章19「その血、何を継ぐ者か」

ここ、私はVinegar56%さんと、ある程度の認識の共有ができたな、と安心した一方で、それは他の春香P、
あるいはニコマスにおいてもそうだろうか?と不安に思ったことからの質問だったと思います。
これまでVinegar56%さんがマスクエについて言及された事は多くなかった様に思うので、ここでこのタイトルを聞いた時は「おっ?」となりましたね。
あるいは表に出てきていないだけで、氏の中では、かの作品についての思索が巡らされているのかもしれません。
私としては、その後に言及された作品が、個人的にも思い入れがあったりするので、ここで登場した事は嬉しかったですね。
具Pたちのごったニ!02「冬の海と春香さん」

サムネだけで、私がこの作品で引っ掛かっている部分が、わかる人にはわかる、かもしれない。
まぁ、今はそれについては語る時ではないという事で。
それとは別に、低ランクで終わったアイドルとプロデューサーの物語、というのは、私がアイドルマスターについて考える上で重要な位置を占めているテーマでもあります。
特にアイマス2において、各エンディングを「トゥルー」「グッド」「ノーマル」「バッド」と称する現在の風潮を私が嫌悪する主因が、ここ。
そんな言葉で彼女達の未来を決めつけるんじゃねーよと言いたい。はい、脱線してますね。すみません。
SP春香についても結構あやうい事を言っている気もしますが、ここについては私も思うところがあり、別の機会に考えてみたいと思います。
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ということで、すごろくさんに天海春香について訊いてみた・回答編の第1回でした。
全体として、この部分に関しては私と氏の見解は近い位置にあったな、という風に見えますが、氏はそこから更に奥、
本当にそうなのか?」という問いを自らの中に持ち続けているのだな、と感じました。
天海春香というキャラクターの持つ特性について、一定の共通理解が得られたところで、次回はVinegar56%さん個人にとっての春香に迫ります。
……迫れるといいなぁ。御期待下さい。