THE IDOLM@STER MOVIE「輝きの向こう側へ!」を観ました/ネタバレあり

映画を見てきました→「GRAVITY」の感想 とかやろうと思ったら、先を越されたのでボツ。
あの映画さー、なんで邦題「ゼロ・グラビティ」なんだろ。原題じゃなきゃ、あの映画の余韻が虚空の彼方へ飛んでっちゃうよ。
科学的にハッタリハッタリ&フィクションだとかいう話よりも、よっぽど映画の印象に影響を与えると思うんですよね、私は。
NASA激怒「おむつ着用が真実だ」 オスカー候補「ゼロ・グラビティ」:産経ニュース
ゼロ・グラビティ」なんて銘打つなら、いっそのこと「サンドラ・ブロックのドキドキ☆ミッション」とか、
そんなんでいいよ。
と、まぁ。タイトルって大事よね、という話。
.
ここから先は、アイマス劇場版の話となります。
感じた事の総論から言うと「ああ、アイマスですね。」で終わってしまう。
いいアイマスだったと思います。
以下、内容に触れるか触れないかは書きながら決めますので、前もって格納はしておきます。
あと、書きたいことから書くので、たぶん時系列とかは無視します。
.
.
1.ファーストコンタクト
なぜパンツが飛んでる映像を見ているだけで、こんなに緊張しているのか。
上映前の予告にて。足の上で組んでた掌が脈打つのがわかって、我ながら可笑しかったね。授業参観かと。
実は、その感覚はだいたいあってたワケだが。
隣で観ていた二人組の女性が泣きっぱなしでヤバかった。
シンデレラガールズのCMで声が漏れてて、「あ、これはガチですね」と思ってたら「2nd Vision」のロゴが出た途端に啜る音が。
はやっ!いや確かにグッときたけど!
おふたりは場面ごとに感極まっていて、この映画を存分に楽しんでおられるなぁと、少し羨ましくなりました。
反対側の隣の男性が終始なにごとか呟いていて、なんとも。
聞きとれれば共感できたかもしれないのだけど、そっちに集中するワケにもいかんし。
言葉が漏れるのは仕方ない部分もある。だがドリンクのフタを爪で弾くのはやめようね。
硬質音は響くよ、ああいう場は。
2.THE IDOLM@STER(主題歌)のこと
オープニング曲として大安定。だけども、視聴後に思ったのは、やはりこれはエンディングの曲なのかな、と。
この映画は、最小の視点で語ると「矢吹ちゃんが『アイドル』になる物語」なんだね。
それによって、彼女はこの「THE IDOLM@STER」を歌う資格を得た、というより、歌う意志を示したと。
自らを恥じ、甘いものを食べても幸せになれなくなってた矢吹ちゃん。
「ちょっとうぬぼれてもいいよね」と自らを鼓舞する春香。
ね。そういうことなんじゃないの、と。そして、北沢さんや他の子たちにも、それは言える。
例えばエンディングで、ミリオンライブの7人による「THE IDOLM@STER」が流れていたら、私も泣いていたかもなぁ。
いやでも、そうするとやはりこれは、オープニングの曲なのか。ミリオン組にとっては、そうであるという意味で。
虹色ミラクル」と「M@STER PIECE」は、ちゃんと聞いてみてから考える。
3.deja-vu(既視感)
大きなテーマとして「『今』を信じる」というものがあった。
それは自分を信じる事であり、自分をとりまく人、過去の経験とか挫折とか、全部ひっくるめた今、ここに在るものが
自分であり、それに宿るものこそが貴いのだと。
この映画は、タイトルで「輝きの向こう側へ!」と謳いながら、向こう側ではなく徹底して『今』を描いた。
先に何があるのかはわからない。だからこそ、今この時のアイマスを伝えるんだと、それは伝える価値があるものなんだと、そう見えた。
で、その視界に既視感を覚えたんですね。以前にもどこかで、私はこの意志を受け取った事があるぞと。
いつ、どこだったかなーと思い返していたら、帰り道で浮かんできました。
【アイドルマスター】 アイマスが好きで『      』

作:めいろっくP
VerRock Festival 2010
いいんですよ。
この映画は、そう言っていたんだなと。
4.北沢志保という子について。
「この子は何をそんなに怯えているのか」と思いながら見ていたら、美希……だったかな?伊織?が直接言ってくれて驚いた。
で、観賞中のどこかで、ああそうか。この子にはプロデューサーが居ないんだな、と、当たり前の事に気がつきました。
だから博打が打てない。負けた時に泥をかぶるのは自分で、しかも先輩にとっても大切な舞台にもそのダメージは及ぶ。
それがわかる子だから、絶対に成功させなくてはいけないと頑なになっている。
ああ、なんだ。聡い、優しい子じゃんと。安心安心。
で、ライブシーンなんだけど。ほんの一瞬、矢吹ちゃんの方を見るよね、彼女。
オーケー。この映画のライブは、あの視線だけで満足です。
プロデューサーがいない、という部分からもうひとつ話すと、開演直前の舞台裏で、律子がミリオン組に寄り添ってたのがとても良かった。
さりげないけど、大事な描写だったように思う。
5.やよいのこと。
最後に律子がプレゼンしてるユニットが、今プレイしてるアイマス2のユニットそのまんまで流石に吹いた。
両隣りの御同業諸氏、正直すまんかった。
あとアリーナでのシーンで、真っ直ぐ前を見て「だいじょうぶ。あんなに練習したんだから」という姿が美しかった。
こちらを向いていなかったけど、それでいい。検証すれば、どっちを向いていたのかはわかるだろうけど、そんな事は
どうでもいいのだ。
前を向いていた。それでいい。
6.「トップアイドル」なるもの
例の電話で、矢吹ちゃんが「天海先輩(呼称コレだったかあやふや)はトップアイドルなのに!」と言う。
で、それを言われた春香はライブ直前「めざせ、トップアイドル!」と号令をかける。
これは面白いなと、ただそれだけ。
現在の765プロは、無印の格付けで言えばBランクってとこでしょう。先の号令が許される、ギリギリのラインだったんじゃないかな。
7.アリーナライブとM@STER PIECE
幕が上がるまでで私としては充分だったし、正直あのままエンディングに行っても良かったと思う。
ライブシーンを眺めながら(ここはホント「眺める」という心境だった)「ああ、私はあっち側じゃないな」と
ぼんやり考えてました。
あの部分は、演者であるアイマスガールズと、ライブを作り上げるファンの人達へのプレゼントなのだろうと。
不足している様に感じたライブ感、圧力、熱量。そういったものは、あなたが知ってるでしょうと。それを映してやればいいんだと。
そう見えましたね。
先述の北沢さんの部分だけ「そっち側」へ引き摺り込まれた感じでしたが。ははは。
初めて自分で買ったアイマスのCDが、よもやLTP04とは。我ながら意外というか、ちょろいと言うか。
8.タバコと酒
気付いた範囲では、吉澤さんだけが吸う事を許されていた、タバコというアイテム。
ちょっと昔なら、プロデューサーが屋上で、車中で、あるいはアイドルと語らいながら、煙をくゆらせるシーンがあったろう。
赤羽根Pは文句のつけようがない完璧超人となっていた(春香の頭を撫でないとことか)が、そういう彼も見たかったかも。
あと、律子さん。飲んでくださいよ〜。どう考えても20歳過ぎたでしょ?なんで麦茶なんですか。
もったいないなー。
9.「輝きの向こう側」のこと
前フリでタイトル大事って言っておいて、本文で触れずに終わるところだった。
このタイトル、765プロの皆にとっては「未来」とほぼイコールで繋いでいいと思う。
アリーナを埋める光に包まれた、その先へ、これから行くんだよ、と。
では、ミリオンライブ組の7人にとっては、どうだろう。
彼女達にとって、輝きとは「アイドル」という存在だった。
憧れの、キラキラした女の子。可愛くて、楽しそうで、皆に愛される理想像。
その偶像は、どうしてそう在る事ができるのか。何を考え、何を背負い、何と戦って、アイドルはステージに立っているのか。
見習いだった彼女達は、そうしたステージの裏側、アイドルの別の側面(Other Side)を垣間見、そして実感した筈だ。
輝きの向こう側に、何があるのかを。7人にとってのタイトルの意味とは、そうしたものではないだろうか。
そして、この映画を見た私達にとっての「輝きの向こう側」とは何か。
これは宿題ですね。さあ、みんなで考えよう。
.
言語化できたのは、こんなところでしょうかね。
締めとして、あくまで個人的な印象を述べるならば、この映画は劇場で繰り返し見るものではないと思います。
細部の確認は、手元に来てからかな。
今、この瞬間。アイマスが好きで良かったと、それを信じる事ができたなら。
それで、この映画の役割は果たしたのだと、私は考えています。
ありがとう。良いアイマスでした。