ひとりごと。

きっかけというのは、そこらじゅうに転がっていて、でも爪先がぶつかるまで気づけなくて、どうしようもなくつまずいてしまうんだろうか。
自分の足元は見えなくて、でも、自分の前を、横を、後ろを歩いている人達のそれは、時に見える事もあって。
そんな時、どうするべきなんだろう。
「あぶない」と声をかけた事がきっかけで、友達でいる事をやめてしまった人がいる。
知らぬふりをしていたら、やっぱり転んでしまって、それっきり連絡の取れない人がいる。
やっぱり言葉はひとりだけのもので、伝えない言葉は自分だけのもので、伝えた言葉は相手だけのものになって、もしかしたら、伝える事でお互いの足元に、石を増やす事にもなって。
でも、見えていたなら伝えるべきだったんじゃないか。
実は私の勘違いで、見えたと思った石とは全然関係の無い事かもしれないけど。
お節介だと怒られても、言うべきだったんじゃないか。
今ここで、何を言っても、それはひとりごとにしかならない。
それが悔しい。
ニコマスを見ていてくれたらいいと思う。
見ていてくれると思う。
でも、あの時、危ないと感じた時、何でもいいから伝えられていたら、今日も一緒にニコニコできたんじゃないかって。
消えてしまったものを見ながら、そう思う。