ブロガーと「この一枚」

ニコマスイベント「VRF」のポータルサイトverrockers.netにて、ブログ連載がスタートしてまして。
主催めいろっくPによる雑談と妄言のあいだ

VRF主催・めいろっくによる雑談、妄言、戯言。

ジャックスPによるNEVER GROW OLD

このブログでは『アイマスと共に振り返る山下達郎全アルバム』と題しまして、 アイマスのアイドル達と共に山下達郎の全アルバムを振り返る企画をお送りいたします。 verrockers.netの場所をお借りいたしまして、 全30回の短期連載を予定しております。

アゥPによるPと「この一枚」

プロデューサーの選ぶ一枚のCDとそれにまつわるコラムを掲載

と、3つの時点でえらく個性的なラインナップ。
来るVERROCKIN' LIVE "STREAM"に向けて、じわじわと雰囲気が出来始めている様です。
宣伝動画も(勝手に)投稿されてます。つか動画単体として凄くイイので皆もっと見るべき。
【企画告知】 VERROCKIN' LIVE!!!が12月にあるそうです 【勝手に支援】

匿名投稿(吊氏

で、その吊さんのブログでも言及されている様に、アゥPの企画にブロガー陣ものっかろうじゃないかという話がzeit氏のブログでありまして。
ぶっちゃけ音楽的な話はぜんぜんわからんのですが、はてブでも「のっちゃいましょう」と言われた事ですし、無理やりのってみたいと思います。
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前置きが長くなりました。「私の一枚」はこちら。

Kyoko ― オリジナル・サウンドトラック(1996/2/1)
村上龍原作・監督による日米合作映画「KYOKO」のサウンドトラックです。
主演は高岡早紀。当時23歳かな。
ムービートレイラーはこちら

21歳になった春、わたしはNYへ旅立つ。13年前、孤独なわたしにダンスを教えてくれたGIのホセに会うために…。
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トラックドライバーで貯めたお金。キョウコの目的は、子供の頃にダンスを教わったホセに会うこと。だが、ニューヨークで再会したホセは重症のエイズを患い、彼女のことも覚えていなかった。故郷マイアミに帰ることがホセの願い。キョウコはホセをヴァンに乗せ旅に出た。衝撃的な旅で、キョウコはなにを手に入れるのか?
Amazon書評より)

この映画を見たのは学生の頃だったかな。先に小説版を読んでいて、後に映画の存在を知って、レンタルビデオ(!)で
借りてみた記憶があります。
ストーリーについてはとりあえずおいとくとして、このトレイラーの冒頭にも流れてる曲「Esperanza」が、ホント素晴らしくて。
すぐにサウンドトラックを購入しました。以降、今に至るまでお気に入りの一枚。
※そのものの音源は見つけられなかったので、以降は参考音源を紹介していきます。
Esperanza」は歴史のある曲で、作曲されたのは1960年。作者はラモン・カブレラ(野球選手ではない)。

これは演奏はサントラ版と同じ楽団ですけど、もっと「くる」のよ。
なお、フランスの歌手シャルル・アズナヴール(これ赤い彗星の元ネタだったりするのかな?)が仏語訳をしたシャンソンを歌ったりしてます。

エスペランサとはスペイン語で「希望」を指す言葉ですが、曲中では女性の名前として何度も登場します。
僕がこんなに愛しているのに、君はチャチャチャを踊る事しか頭にないんだね……という、ちょっと切ない恋の歌。
映画でも、主人公のひとりホセは病により記憶障害に陥っており、自身が有名なダンサーであるという偽りの過去にすがっています。
キョウコが日本での思い出を彼に語っても、取り付く島もない状態。歌のイメージに合ってますね。
Esperanza」に限らず、このサウンドトラックにはキューバミュージックのスタンダードナンバーが多く収録されています。
リムジン運転手ラルフがラジオでキョウコに聞かせる「La Cachimba」

裕福なユダヤ人の婦人にマンボを教えるシーンの「Bonito y sabroso(ボニート&サブロッソ)」

キューバの街角で老ダンサーが踊る「Las Cuatro Palomas」

映画のラスト、キョウコが少年と踊る「La Bruja」

そして「KYOKO」のイメージソングであり、監督自らが理想の歌手を探しまわったという「Siboney」など。

それまでラテン音楽というのは興味がなく、そもそも触れる機会がなかった私にとって、これらの音は非常に強く響いたのでした。
このサントラ、残念ながら現在は廃盤。でも、今Amazonで見たら中古で700円くらいから購入できる様です。
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村上龍という作家のテキストは、実はあんまり好みじゃなかったりするんですが、この「KYOKO」は好きだなぁ。
ロードムービー(小説)という形で、90年代末のアメリカが抱えていた問題を描く社会派作品……と見せかけた、ファンタジー映画です。
キョウコはこれでもかというくらい理想化された女性だし、登場人物はなんだかんだで「いいひと」ばかり。
村上龍らしさを求めていると、肩すかしをくらうんじゃないかな。そこが私には合ってたんだと思う。
まったくの余談ですが、「KYOUKO」の主人公キョウコの設定って、どっかで聞いたことある気がすんですよね。
・米軍基地のある町で生まれ育つ
・幼い頃に親と死別
・孤独だった自分を救ってくれたダンスに没頭する
・時に周囲を驚かせるほどの行動力と強い意志、幼い頃の想いを忘れない純粋さ、誰もを魅了する雰囲気をもつ
・たまに調子に乗る
・ポニーテール
・小柄&スタイル○
……。

まぁ、どうやら幼少期のモデルとなったのは神奈川(相模原)っぽいんですが。
響をプロデュース中、ふと思ったんですよね。
「あれ?この子ってキョウコじゃね?」と。
私が作り手ならねー。ノベマスにできたらいいなぁとか、この曲で踊る響が見たいなぁとか。
このサントラを聞いてると、そんな事を思うのでした。