2012年上半期ニコマス20選・後編

前半からの続き。まずはインターバルとして、サムネ一選動画から御紹介。
サムネ一選
_(タイトルなし)

作:匿名投稿

投稿日:03/11
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それは祈りの色。
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では20選、後半10本いってみよー。
11
彼女たちのプロデューサー

作:ftzP

アイドルマスターにおけるキャラクターと声優の関係というのは、いまさら私が指摘するまでもなく特別なものとなっていて、
先の7thライブの様なイベントに象徴されるように「アイマスガールズ」としての活動が積極的に展開されています。
また、キャラクターから声優へ、声優からキャラクターへと、その人格の相互フィードバックが為されているのも、
長期コンテンツならではの特徴でしょう。
かといって、彼女達がアイドルそのものなのかと言えば、決してそうではなく、ゲームのキャラクターを尊重しつつ、
それぞれの場面でそれぞれの個性を発揮し、アイドルマスターを支え続けてくれています。
そんなアイマスガールズは、当然ながら私達ゲームプレイヤー≒プロデューサー以前にアイドル達と出逢い、
その成長を見続けてきた、生粋のプロデュンヌ達なワケで。
この動画は「登場人物は全て架空」としながらも、彼女達「アイマスガールズ」をアイドル達のプロデューサーとして配し、
ゲーム世界へ投入するという思考実験的な作品となっています。
プロデューサーは絵姿を持たないものの、フキダシの形とフチの色、何より各人の特徴をよく捉えた会話の内容で、
それが誰なのかを容易に識別できるスタイルが非常に好印象。
場面ごとに登場するアイドルの組み合わせも「ああ、そうなるだろうな」という良い意味で捻りの無い配置となっており、
すんなりとパラレルな設定の世界に入り込めます。
そして後半、中と外の境界を取り除けた世界観を認知した私達の前に、あの人が現れるのです。

久しぶりに帰国された会長の言った「大切な友人」という表現が、本当に素晴らしい。
ハワイの陽射しはどうでした?アイドル達が出演するTVは全て見ている会長の事ですから、アニマスも見ててくれましたよね。
7thライブとライブビューイングの歓声は、届きましたか?
会長と社長の仰る通り、これからもいろんな事があるでしょう。前向きな事だけではなく。
それでも、いつか振り返った時。
「楽しかったね」と言える日々を過ごしたいと思います。この事務所に集う仲間達と、いけるとこまで。
12
ζ*'ヮ')ζやよいぱんさぁ

作:ナンカンP

ごく控えめに言って、今期ベストやよいプロデュース作品。
私ごときがどこがどう、とポイントごとに区切って説明するのも野暮に感じるほど、とにかく14歳のやよいが眩いほどに魅力的。
最初は「保護者ふたり同伴かよw」なんてノリだったコメント群が次々にノックアウトされていく様は、爽快さすら覚えます。
とりあえずイントロ部での溜めから七彩の長回しを見せつけるAパート、ロングカメラでのダンスを効果的にする為の様々なイイ仕事が見られます。
で、暗転からのかっこよすぎるBパート。ここではスローやアピールを使っての「見せ所」の演出で、Aパートとは異なる盛り上げ。

01:36〜01:39でピントが「やよい→あずささん→やよい」と変化するのがすごく好き。
ここ、やよいはパート分けの関係で歌ってない(口が動いてない)んですね。そこで歌ってるあずささんに一度ピントを合わせて、
歌ってます感を維持してる。その上で主役のやよいに焦点を戻して次のパートへ繋ぐ。うん、完璧。
で、間奏で更に盛り上げて七彩ダンスに戻ったので、どうすんのかなと思ったら、サビはG4U画像とアップ連発ですよ。
ぐうの音も出ない。最後に掃除スタイルのやよいが登場するところまで含めて、文句無しです。

「ζ*'ヮ')ζ<めひょう」?
いえいえ、これはそんな生易しいモノじゃありません。油断してると食べられちゃいますよ?
13
【NovelsM@ster】はるちはと自動販売機の謎

作:推空P
日常というものは毎日やってくるもので、それを当たり前として過ごしていると、まぁ、どうってことない日々なワケです。
しかし、人はそうした「どうってことない日々」を楽しむ術を持っている、非常にお得な生き物。
推空Pはこの動画で、そうした事を気付かせてくれます。

千早が春香の為に飲み物を買いに行った自販機で、未開封のお茶が残されているのに気付き、
同時に春香が見知らぬ少女から奇妙な質問を受ける、というシチュエーションからスタートする物語。
で、ふたりは最終的に、こういう会話に至るのですが。

千早が春香に電話をかけてからここまでで、10分以上が経過しています。これは、その過程を楽しむ動画。
これ、千早は最初の時点で「謎」を謎とせず、事実のみを伝えてしまっても良かったワケです。
むしろその方が効率がいいし、そもそも自分とは無関係だと放置しても差し支えなかった筈。
でも千早は、そんな「どうってことない」出来事を、春香に謎として提示するのです。そして、春香もまた。
これはふたりが互いの洞察力や発想力、そして何より知的好奇心の強さを認識しており、
「彼女ならこの謎をきっと楽しんでくれる」と信じているからこそ出来る芸当。
推空P作品のはるちはは、まぁ全編こんな感じで、お互いに全幅の信頼を寄せています。清々しいまでのわっほい。
そんなふたりの持つ力が「推理空間」と呼ばれる推空Pならではの演出技法。
この演出は、いわば推理力養成マニュアルの様なもので、文中で注目すべき点、キーとなる人物、推理と仮説、そして結論といった
ミステリーを読み解く為に必要なエッセンスを、ビジュアル的にわかりやすく表示してくれています。
それ故に、探偵役が問題解決の過程で行う「思考の跳躍」においても、視聴者が振り落とされる事なくついていく事ができます。
そして、そうした優れた推理力を、あくまで「楽しむ為に」用いるふたりの、なんと素晴らしい事か。
晴れやかなオチまでついて言う事なし。楽しませていただきました。
14
アイドルマスター 春香 「グッバイ、ハピネス。」

作:オペラP

初視聴時に書いた記事はこちら
んー、追記する事はあまり無いので、ひとことだけ。
これを見た後、このユニットでアイマス2をプレイしました。

約束は、守りましたよ。春香さん。
15
アイドルマスター 春香 「合わせ鏡」

作:ウィンウィンP
私は、この動画と、この中に存在するものについて、共感する事は出来ません。
「わかるよ」なんて、言えるわけないのです。
それでも、このふたりは、私が見る事ができる場所に、今も立ってくれているのだと。
たとえ私の方を向いていなくても、私はそれを見て、そして、私がここに居る限り、何度も見ていく事になるんだろうなと。
そんな事しか言えないのです。

発表当時の事だから、もう17年くらい前になるのだろうか。
DREAMS COME TRUEが「LOVE LOVE LOVE」をリリースした時、どこかのTVでのインタビューで、メンバーが語っていた事。
録画もしておらず、その時に聞いただけなので細部はうろ覚えだが、その主旨は次の様なものだ。

(作詞担当の)吉田美和氏が今回の歌詞を持ってきた時、非常に驚いた。
これまで彼女は、愛はいつもそこに在るものだと信じて歌ってきたはずなのに、
今回「愛を叫ぼう 愛を呼ぼう」という強いフレーズが含まれている。
何が彼女にそう言わせたのか。彼女がそう歌わざるを得ない状況に、この世界は進んでいるのではないか。
その事が気がかりだ。

この動画を見て、私はふと、それを聞いた時の事を思い出したのでした。

16
【伊織誕生祭】お姫様と道化師 霜月はるか

作:BARBP
御伽話風の歌詞に乗せた、オールスターミュージカルPV。
背景フレームの装飾がとても綺麗で、まるで絵本か紙芝居を見ている様です。
曲の展開に合わせて衣装やステージが変化するだけでなく、ライティングの演出もきっちり合わせられていて雰囲気が抜群。

「誰もいない暗いお城」に登場する道化師役のやよい。この衣装で「マリオネットの心」を踊るという発想が素晴らしい。
伊織のワガママ姫という配役は、まぁ言ってしまえばおやくそく的なものですが、見ていて面白いなと感じたのは、
このステージでは、伊織自身がその役を楽しんでいる様に見える事。
なんというか、余裕を感じるんですよね。演じる事の喜びが見えるというか。
私は14歳の伊織と15歳の伊織の最大の差は「安定感」だと考えていて、この動画ではその安定感が良い方向へ作用しているのかなと。

最終盤の歌詞。ここで、やよいが道化師役だった理由がわかりました。
「自分を好きになる事が自分を輝かせる事」これは「キラメキラリ」のテーマそのものじゃないですか。
キラメキラリに特別な思い入れがある私としては、もうクリティカルヒットだったワケです。まいった。
役目を終えた道化師が、最後のステージでは後方に下がっているのも好みの演出。
隣に居るだけが正解じゃないんですよ。
17
765プロはっぱ隊 「Y@TTA!」

作:ならかったP
初視聴時に書いた記事はこちら

何故かこの動画はスクショをがんばりたくなる。
んー、きっと動画としてのパワーが強力だからなんでしょうね。静止画ではうまく伝わらない。
まぁ、そうは言っても、ね。

わはははは。
やっぱり笑うわココ。あと今回見返していて、新たに爆笑しちゃったんですけど、
「強いられてる赤羽根Pの背後で異様に鋭い眼光の律子」。

なんでこんな顔してんの?
これから落ちこんだ時、やる気が出ない時、この動画のお世話になると思います。今後ともよろしく。
18
【にせ卓ゲm@ster】ルルブがない。

作:万年P
2010年に描かれ、ネット上でちょっとした話題になった、一枚のイラストがあります。
タイトルは「In the eyes of Children(子どもの目にはこう見えた)
TRPGにおけるゲームマスターとは、つまりこの絵を再現する事が役割なのです。
ゲームのシステムを構築しているルールは、その役目を円滑に、プレイヤーが納得しやすい形で実行する為のツールであって、
絶対的なものではありません。ゲームに習熟すればするほど忘れがちな事ではありますが。
この動画では、そうしたRPGの芯となる部分、ごっこ遊びを楽しむとはどういう事か、を見せてくれます。

いおりんの導入部マジ最高!
この問いかけが素晴らしいなぁ。真美と亜美の想像力に火をつける一手。ここで二人はアイドルから伝説の勇者へと変わるのです。
更に部屋の照明を消すというシンプルな演出で、日常から非現実世界へと誘う機転。
あくまでシチュエーションを楽しむ事に重点を置き、端折るところは思いっきり端折るマスタリング。
なんだか動画を見ている私も童心に帰ってしまいそうでした。
そんな伊織に導かれて、ノリノリでロールプレイを楽しむ真美と亜美が、実に子どもっぽくて愛おしい。
こと2次創作において、彼女達は12歳とは思えぬ才気や聡さを宿して描かれる事が少なからずあります。
それはそれでアリなのですが、こうした等身大のふたりを見る事ができた時、私はなんていうか、ホッとするのです。

GMは神ではなく人間である」
この言葉は、通常GMに対する戒めとして用いられる言葉ですが、私はこのセッションを成功させた伊織の機知と柔軟さ、
何よりその優しさに対して、この言葉を贈りたいと思います。
理路整然としたプログラムや神では為し得ない楽しさを、真美と亜美に伝えてくれてありがとう。
19
アイドルマスター 2012年上半期ニコマス20選開催のお知らせ

作:ATP
初見時の感想はこちら
卓球Pが20選の運営から退かれる事が発表された時、この企画が続くとして、もしATPが引き継いでくれたなら、
間違いないだろうなと思ってたのです。それはきっと、私だけじゃなかった筈。
そして、そんな期待に見事に応えてくれたのが、この告知動画でした。

前回20選のEDを受けての選曲、簡潔ながら気のきいたレギュレーション説明、そして楽しげなアイドル達。
義務からの継続ではなく、ニコマスをもっと楽しんでいきたい、アイマスという音楽を鳴らし続けていきたいという心意気が感じられて、
本当に嬉しかった。
心からの感謝を、私の全力セレクションと共に、ATPへ贈ります。

私の「大好き」届きましたか?
20
アイドルマスター2 「絶頂は今」 千早・春香・やよい

作:音P

初見時の感想はこちら
私はアイマス2の3人ユニットという形式について、発売当時から考え続けていて、特にリーダー以外のふたりが、ゲーム本編で
描かれていない場面で何を感じ、何を考えて1年間を駆け抜けていくのか、とても気になっています。
ゲームシステム上、どうしてもリーダーのアイドルとの1対1の関係がクローズアップされるのですが、その裏で起こっているドラマというものが、
きっとある筈なんです。
このIAグランドファイナルという舞台に立った3人は、明確にそれぞれの役割、立ち位置を意識している様に感じられました。
春香さんもやよいも、もちろん千早も、この瞬間を輝かせる為に「できること全部やろう」としている。

その姿に心打たれたのです。こういうユニットを、もっともっと見てみたいなぁと。
音Pの見せてくれた渾身のアクトが、そうした流れを作る事を期待しています。
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以上です。