それはそれは美しかったから

むこうに麦畑が見えるだろう?
ぼくはパンを食べない。だから、小麦には何の用もない。
あの麦畑を見ても、心には何も浮かばない。それはさびしいことだ!
でも、きみは金色の髪をしてる。そのきみがぼくをなつかせてくれたら、
きっとすてきだ!
金色に輝く小麦畑を見ただけで、ぼくはきみを思い出すようになる。
麦畑を渡る風の音さえ、好きになれるんだ……。

サン=テグジュペリ著『星の王子さま』より


昨日、自動車を運転中に、ラジオからRADWIMPSの「謎謎」が流れてきまして。
驚いたことに、涙が滲んできました。
「おいおい、そこまでかよ」と、我がことにツッコミを入れたほどビックリしましたね。
ラジオからの不意打ちってのがよくなかったな。


ただ、まぁ、自分が今も、何かに対して思い入れることができる人間だった、と
知ることができたのは、それなりに収穫だったかな。
星の王子さま』で、キツネが黄金色の麦畑を見るように、
王子さまが夕焼けを見るように、「私」が星々を見上げ微笑むように、
私もこの先、この歌を口ずさんでいくんでしょうね。
そうありたいな、と、私は昨日、思ったのした。