2010年下半期ニコマス20選+α・その2

20作品の感想を書き終えたらアホみたいな長さになったので、記事を分割します。
11番目以降の作品についてのコメントは、こちらから。
11
【アイドルマスター】団結と言ったらコレだろ!【弾幕希望】

作:かたくりこP

登録タグ:アイドルマスター/かたくりこP/団結/みんなで楽しくなる動画/仲間だもんげ/もう許してやれよ/安定した不安定


クレイジーダイヤモンドは砕けない
9月19日に投稿された、オール手描きによる「団結」です。
自身のカラーをそのままに公式PVを再現してしまったという、その一点だけでも素晴らしいのですが、
「その日」に発表された事により、この「団結」は特別な存在になりました。
9月18日から19日にかけて。
今まで信じていたものが、目の前で姿を変えていく様を見ているしかなかった、あの時。
元となった「団結」動画さえも、痛々しいコメントで埋め尽くされた、そんな日に、かたくりこPは
この作品を投稿しました。
作画枚数や曲との合わせの手間を考えるに、かなり以前から作成されていただろう「団結」。
言うまでもなく律子PであるかたくりこPが、どんな思いで19日に投稿されたのか、私には想像すらできません。
きっと、動画説明文に書かれていないものが、たくさん詰まっているはずです。
それを理解する事はできませんが、この動画を見た時、私は単純に、本当に嬉しかった。
そして、多くの人がPの意を受け、本当の意味で「団結」を再現してくれました。
テンプレによって完成する「団結」。視聴者が参加する事で輝く、歌とアイドル達。
みんなが見失いかけていた、みんなが求めていたものが、「その日」に生みだされたという事実に、
私はかたくりこPと、コメントを残した皆さんに感謝せずにいられません。
ありがとうございます。
.
12
*んじゃえばいいんだって
※2010下半期タイトル1選

作:・・・−−−・・・氏

登録タグ:アイドルマスター/アイマスの敵Pリンク/sm12473421/おしゃかしゃま/アイドルマスター2/im@sオールスター/ジュピター(アイドルマスター)/もっと評価されるべき/SOSの人


鏡よ 鏡
不思議な動画です。
強く、激しく、それでいて寸分の隙もなく整っている。
熱い思いを感じさせるのに、同時にゾッとするほど冷静な「目」を感じる。
投稿者名の「…−−−…」。救難信号を意味するモールス。それが誰の、誰に向けてのものなのかは、
明示されてはいません。
この歌を選んだ意味、この歌をJUPITERに歌わせた意味、タイトルで決定的な一字を敢えて伏せた意味。
この作品は、全てが見る者に委ねられています。
だからこそ、この作品を前にした視聴者の多くは、コメントという形で「自分」を動画上に残しています。
肯定、否定、自分なりの解釈。
CA職人は匠の技を振るい、一見さんは戸惑い、アンチは容赦なく爪痕を刻む。
コメントが減少気味という話題が出た時期にあって、発表からかなりの期間に渡って、その姿を変化させ続けた作品です。
今にして思えば、それこそが作者の意図だったのかもしれません。
いわばこの作品は、見る者の姿を、そしてニコマスという世界を映す鏡。
この解釈も、私個人のものに過ぎません。「何言ってんだコイツ」と思う方も居られるでしょう。
―あなたには、何が見えましたか?
.
13
アイドルマスター 「パブロフの犬」

作:だいすP

登録タグ:アイドルマスター/だいすP/756プロ/筋肉少女帯/パブロフの犬/ありすえ装備/アイマス少女帯/春香/雪歩/信頼のマイリス率


感染する「狂気」疾走する「驚喜」
「狂った世界の中にただ1人狂わない者がいたとしたら、果たしてどちらが狂っていると思うだろう」
楳図かずお氏の漫画「洗礼」にあるセリフ。
筋肉少女帯初期の名曲「パブロフの犬」の世界とは、つまりこれです。
主役の二人、春香と雪歩はパンキッシュゴシックで共に「ニーソックスを穿いた少女」であり、
いかにも筋少に相応しい配役。
そして「ありすえ装備」。これはだいすPの筋少作品においては「感染」を示すキーアイテムであり、
マタンゴ」でも用いられています。
これに真と千早の「バラエティーアニマル」が加わるという、一見ネタとしか思えない構成。
ところが、だいすPはその常軌を逸した(乱暴な言葉ですが、この表現がこの作品には相応しいと思います)
演出力・構成力・改変技術によって、オーケンの世界をPVという形で完成させてしまいました。
挿入されるドラマパートやクライマックスの疾走シーンは凄まじいの一言。
ただ、それだけではなく、春香と雪歩、それぞれのダンスシーンにも注目です。
共にサビパートであり、曲自体はほぼ同一でありながら、全く異なるステージを見せるふたり。
ダンスだけでなくカメラワークなども変えられており、その違いがラストの対決へと繋がっていく……のかもしれません。
とにかく「見所しかない」。疾走感溢れる曲と映像がガチンコで渡り合う快感に酔いしれました。
.
14
アイドルマスター 伊織 うさタッチ集

作:Shi.P

登録タグ:アイドルマスター/伊織/Shi.P/この発想はありそうでなかった/伊織コミュ/うさタッチ/im@sコミュ/うさちゃんファンの聖地/誰得動画/癒し動画


公式という深淵
アイマスというゲームにおいて、欠くべからざる存在(主に紳士的な意味で)である「タッチコミュ」。
あまりにも有名な美希のコミュ動画「セクハラP」にも、このタッチコミュが含まれています。
これ、プレイ時は判定が意外に面倒なんですよね。撫でるつもりが叩いちゃったり、微妙なズレで判定されなかったり。
ただ、触る場所に関しては、普通の感覚では「頭」「頬」「肩」そして「胸」あたりでしょうか。
パーフェクト狙いにせよ、別の会話を見る為にせよ、意味の無い場所をタッチする人はほとんど居ないでしょう。
そして、ゲームの進行的にも、そこまで細かい判定ポイントは必要ないはずです。
「成功」「失敗」「そこそこ」あたりを用意すれば、誰も文句は言わないでしょう。
しかし、そこは「公式が病気」として有名なアイドルマスター制作陣。
伊織の「うさちゃん」に判定ポイントを設け、専用の会話まで用意していました。
この動画は、その「うさちゃん」タッチ時のコミュをまとめたものです。
いやぁ、驚いた。本当に驚きました。この発想はなかった。
そして、改めて「アイドルマスター」というゲームの奥深さを感じました。
おそらくアーケード版から搭載されていただろうこの「うさタッチ」、気付いた人がどれだけ居たんでしょう。
そんな遊び心を持った人たちの為に、あるいは伊織というキャラクターを作りこむ為に設定された、こうした会話の数々。
制作スタッフと声優陣のこだわりに、拍手を送りたい思いです。
そして、来るアイマス2でも、こうしたこだわりを見せてくれる事を期待しています。
.
15
アイドルマスター WARP 7.65

作:獣道を逆走P

登録タグ:アイドルマスター/獣道を逆走P/NONOWIRE10/The_Bloody_Beetroots/im@sコラボPV/im@sオールスター/ニコマスアニメチャンネル/元PV→sm6539245/再現m@ster


超・再現m@ster
電子音楽を用いたアイマス動画によるタグロック祭「NoNoWire10」参加作品であり、
使用曲のPVを基にした、手描きによるオールスターアニメPVです。
元PVとアイマスを結び付ける発想、圧倒的な描画力と枚数、独特の空気を生み出す色使い、
単なる再現に留まらず、映像、音声ともにオリジナル要素を加える挑戦心などなど……。
見所は列挙してもしきれないのですが、この作品の持つパワーはなんというか、言語化するのが
野暮に思えてきます。
紹介文なのに丸投げってのもどうかと思うんですが、この作品に関しては、実際に見てもらうしかないなぁ、
というのが正直なところ。
視聴後は比較版もオススメ。
この作品の凄さを、改めて感じられる筈です。
と、作品の核に迫れないまま紹介してみましたが、20選に選んだ理由は、ぶっちゃけ1つだけだったりします。
それは、最後に時計の針が動いていた事。
ぶっ叩かれても、部品が吹っ飛んでも動き続ける765プロの時計と、それを描いてくれた獣道を逆走Pに、1票。
.
16
もりのやよいちゃん

作:百舌P

登録タグ:アイドルマスター/Novelsm@ster/百舌P/作業用BGM/やよい


「描かない」という選択肢
Novelsm@sterというジャンルは成熟するにつれ、特に映像面において著しい進化が見られる様になりました。
いわゆる「立ち絵」に始まり、ゲーム画面からの切り抜き、自作の改変グラフィック、更に「動く立ち絵」など、
アイドル達をより魅力的に画面上に立たせようという動き。
加えて映画的な映像演出の導入も多く見られ、ノベルというよりムービーに近い作品も、少なからず現れています。
以前に紹介した「ハイレベル!ノベマス講座」においても、文字や映像をいかに見せるか、
という部分を論じています。
ノベマスのムービー化。それ自体はビジュアルノベルという枠が進む、正統な進化です。
しかし「見せる事」だけが映像作品ではありません。百舌Pの作品は「画を見せない」「描かない」事で、
作品に独特の力をもたせています。
この「もりのやよいちゃん」も、立ち絵なし、背景は静止画のみ。しかも、劇中では一度も「やよい」という名が
呼ばれる事がありません。
象徴的なのはスクリーンショットの場面。やよいが踊る場面の描写を<<おどり>>で済ませてしまっています。
その気になれば、踊るやよいの画像など幾らでも用意できるだろうに、このテキストと楽しげなBGMだけで
語ってしまうのです。百舌Pという人は。
それでいて、同じフレーズの繰り返しや韻踏みなど、強調表現も好んで用いられています。
描かないものはバッサリと削ぎ落として視聴者の想像力を刺激し、その上で描くものを際立たせる。
物語には、こういう方向性もあるんだよ、というお手本のひとつです。
そんな手法で描かれているのは、アイドルという道を選んだ少女そのもの。
童話という形式の向こうにあるものは何か。「森」とは、「動物たち」とは、そして「お前」とは?
.
17
アイドルマスター 「お肉食べようのうた」

作:FRISKP

登録タグ:アイドルマスター/FRISKP/やよい/千早/美希/春香/11/29.は肉M@ster/お肉食べようのうた/29×29=841/もっと評価されるべき


のヮの<にく♪
FRISKPといえばクール&スタイリッシュ。そんな風に考えていた時期が、俺にもありました。
それがまさか、こんな球を持っていたとは。
アレですね。菅野よう子女史の名言
「大人が本気で遊ぶとすごいんだぞ」
を思い出しました。ホントすごい。
キラキラおにく空間での4人のダンス(なに書いてるのか自分でも不明)とか、「まんまるおだんご」のモーションとか、
言われてみれば確かにFRISKPらしいんですけどね。
それにしても、スクショの千早と春香さんですよ。もう最高。
あと、ラストで千早の肩にそっと置かれた春香さんの手にも大注目。はるちはわっほい!
(と書こうと思ってたらコメントに先を越されてちょっと悔しい)
なんかこの作品だけ紹介文のテンションもおかしい気がしますが、しかたないね。
見た瞬間に20選入り確定でした。
先日の新作でも早速やってくれたFRISKP、これから何を見せてくれるのか、今年も目が離せません。
.
18
アイドルマスター 童話迷宮の眠り姫(前)  【Novelsm@ster】

作:にわP
登録タグ:アイドルマスター/Novelsm@ster/雪歩/にわP/にわーるど

Another song
10上半期に発表された「やさしいうたの物語」に連なるシリーズ「Another Song」の2作目。
1作目がそうだったように、この作品で描かれるのは「アイドルマスター」という世界の、その先にあるものです。
公式発表であった通り、「アイドルマスター」と「アイドルマスター2」は連続した世界ではありません。
そのパラレルという構造と、ループする世界という制約、そして雪歩。
これは、アイマスという世界がリスタートする直前という特別な時間、2010年の下半期にしか誕生しえなかっただろう作品です。
否応なくやってくる終わりと変化。それを知っている者と、それに気付いてしまう者と。
にわPの描く登場人物は、誰もが不器用で、全力で、それ故に美しい。
「その時」が迫っている作中の世界でも、彼等は懸命に生きています。
生きているから、選択肢なんて見えないし、選んだ道が正解かどうかなんて、誰にもわからない。
それは作中のプロデューサーもそうですし、雪歩も、あの人も、そして私達も同じ。
だからこそ、選ぶという行為は尊いのだと思います。
そして、全ての選択を是とした上で、もうひとつの道を作品として提示してくれたにわP。
2次創作としてパーフェクトな物語。お見事でした。
再生時間は約44分。時間のある時に、ぜひ一度ご覧下さい。
.
19
ワイルド765娘VS殺意のジュピター

作:フリージアP
登録タグ:アイドルマスター/アイドルマスター2/Little_Match_Girl/ジュピター(アイドルマスター)/フリージアP/シンクロ率765%/ジュピターの本気/シンクロに定評のあるノベマスP/ジュピター万能説/鉄壁ガード

ステージは戦場!
アイマス2の(おそらくは)メインイベントとなる「フェス」。
ユニット同士のパフォーマンス合戦という設定がなされていますが、それは一体、どういうモノなのか。
プレイヤーである「プロデューサー」には、各種データが数値化して見えるという特殊能力(?)がありますが、
審査員である観客にはステージ上のバトルはどう映るのか。
この作品は、いわばその「フェス」のシミュレーション映像です。
「JUPITER」と「LittleMatchGirl」の公式PVが同じステージを使用している事を利用したこのダンス対決、
特筆すべきは見る者を引きこむ楽しさでしょうか。
イントロ部の読ませる気が皆無な(それでいてネタ満載な)あらすじで興味を掴んでおいて、2ユニットそれぞれを
テンポ良く紹介、男性ボーカルの歌いだしに合わせてのアピールに繋ぎます。
女声パートでの切り替えも単なるカメラチェンジではなく、JUPITERからのアピールを受け止めるという演出つき。
更に混声部では互いにアピールをぶつけあい、観客(つまり動画の視聴者)のテンションをアップさせます。
一瞬のカットインやら黒服赤眼アイドルと化した冬馬やら、アニメ的な表現がまた楽しい。
更にもうひとつ。この作品では「JUPITER」がLMGトリオと同じ舞台で戦っています。
それは彼等もまた、きらめく舞台に立つアイドルの一員であるという事。
フリージアPはこの作品で、それを見せてくれました。
このバトルを見たコメントの盛り上がりが、その事を証明しているでしょう。
アイマス2の持つポテンシャル、可能性を披露してくれたフリージアPに感謝。
……で、fakestoryはいつごろ(ry
.
20
アイドルマスター 愛・絵理・涼 くちばしにチェリー

作:ペンタP

登録タグ:アイドルマスター/アイドルマスターDS/ペンタP/日高愛/水谷絵理/秋月涼/im@sコラボPV/ちょっホイ/ego-wrappin'/876ファンの聖地


超新星」から生まれた三連星

VerRockFestivalに足りないものは、それは!  DS組・DS組・DS組・DS組・DS組・DS組・DS組!そしてなによりもォォォオオオオッ!!  DS組が足りないッ!!!

――動画説明文より抜粋
これが、プロデューサーという称号を持つ人の力。
そして、VRFという祭典が生みだしたもの。
自分が愛するアイドル達を、あのステージに立たせたいという一念が、この動画になったのでしょう。
ペンタPは876プロ専属プロデューサー。PVだけでなくNovelsm@sterも手掛け、更にはDS素材の公開もしておられます。
まさに筋金入り。
別のプロデューサーの話になりますが、以前にヨルPについて複数の方が語って居られた
「ずっと続けてきた者の強さ」
というものが、この方の作品にも宿っている様に感じられます。
この作品が来るまでは、愛ちゃんソロの「アイドルマスター 日高愛 Jazztronik「七色」」を20選候補にしていたのですが、
プロデューサーとしての心意気みたいなものを、より強く感じたこの作品を選ばせていただきました。
ディアリースターズの3人がステージ上に揃った瞬間、驚きと感動に声が漏れました。マジで。
そして、VRFというイベントと、ニコマスという繋がりにも改めて感謝しました。
超新星が残した熱と無数の煌きが、こうして他の作品に繋がっていく。
その瞬間に立ち会えた事を、とても嬉しく思います。
2011年も、その先も、この素晴らしい循環が続いていく事を願っています。
.
※ここから番外枠
サムネ1選
アイドルマスター×プログレッシブロックメドレー

作:なみへー氏

登録タグ:アイドルマスター/プログレm@ster/サムネバイバイ/サムネホイホイ/プログレ/吉田達也/ロバートフリツコ/ぷろぐれ!/Ruins/sm6200275
.
動画説明文1選
魔法をかけて

作:かりふらP

登録タグ:竜宮小町/魔法をかけて!
動画の説明文:さもなくば、解いて
.
タグ1選(代表動画)
別に作らなくてもいいお知らせアイマス動画

作: 賽遊戯P

登録タグ:アイドルマスター/賽遊戯P/音無小鳥/滝田樹里/無駄m@s/音無親鳥/小鳥が親鳥になりました
小鳥が親鳥になりました とは:ニコニコ大百科
.
以上です。コメントはまた後ほど、体調が回復してから追記していきたいと考えています。
皆さんの20選を見るのが今から楽しみ。その為にも元気にならねば。
ではでは。
このエントリーをはてなブックマークに追加